コラム- 文字起こし・議事録作成 株式会社トークアトラス

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文字起こし(テープ起こし)を始めてみたい方へ

2023.6.27 文字起こしについて
文字起こし(テープ起こし)を始めてみたい人へ

筆者は、速記を通信教育で学び、それをきっかけに文字起こしや出張録音の仕事を長く続けてきました。そんな経験から、在宅ワークで文字起こしをやってみたい方のために何か参考になることがお話しできればと思い、書くことにしました。

文字起こしは在宅ワークの定番

凝り性なので、もっとうまくできるようになりたいという、それだけの情熱で今までやってきましたが、続けてこられたのは、この仕事が在宅ワークが可能であったという側面もあったと思います。

今のように在宅でできる仕事の種類はそれほど多くなかった時代でした。子どもが小さいけれども何か仕事をしたい、在宅でできる仕事はないかと考えたときに、自分がかつて興味半分で速記に触れたことを思い出し、再び学び直すことから始めました。それがきっかけでした。

様々な事情でフルタイムで働くことが難しい人たちにとって、在宅での文字起こしの仕事は昔から人気があるものでした。子育てや介護、その他の理由で外に出て働けない、また、対人関係が苦手でできるだけ一人で仕事をしたいという人にも需要がありました。

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい始めてからは、さらにリモートワークが普及し、副業の解禁などもあり多様な働き方が一気に加速しました。

ライバルは多め

文字起こしはハードルが低そう、始めやすいというイメージがあります。「専門技術は何も持っていないけれども、文字起こしぐらいなら私にもできそう」。そう考える人は多いと思います。必須の資格・技術といったものはないし、投資するお金はパソコンとヘッドフォンぐらいです。

でも、実際やってみるとそんなに簡単なものではないことにすぐ気づくことになるのですが、入り口はそんな感じで、誰でもできそうな気がします。

ハードルが低くて始めやすいということは、同じように考える人がたくさんいるということです。在宅ワークの欠点は横のつながりが見えにくいことではないかと思います。

自分とクライアントの1対1の線しか見えないけれども、クライアント側からは大勢のワーカーが視野に入っているので、人と同じでは選ばれにくいということになります。

それは何も文字起こしの仕事に限ったことではないですが、人より頭一つ飛び出せるように努力することはとても重要です。

どんな人が向いているの?

飽きっぽい人、大ざっぱな人は苦痛を感じるかもしれません。想像以上に膨大な作業量になります。細かい作業を忍耐強く最後までやり通すことができる人は向いています。几帳面、誠実という姿勢も大事ですが、時には不要なものを切り捨てる大胆さもなくてはならないです。

稼げるようになるにはそれなりの時間とスキルが必要なので、効率的にたくさん稼ぎたいと思う人には向かない職種です。

どこで仕事を探すの?

最初はクラウドソーシング等で探すことを勧める人もいます。よい案件を獲得できればいいのですが、無理をしてあまりに安い報酬で請け負うと体も心も消耗します。

発注する側の人が文字起こしとはどんなもので、どんな価値があるかを理解してくれていないと、適正な報酬にはなりにくいです。

それなりに実績のあるところ、少しずつ学んでいけるようなところに業務委託等で登録し、経験を積んでいかれることをお勧めします。

仕事を獲得するために

どこかに登録ができたら、仕事の打診が来るのを待ちます。実力がある人は切れ目なく休む暇がないぐらいになり、依頼を断わることにストレスを感じるようになるかもしれません。

反対にめったに仕事の依頼がなくて悩む人もいるでしょう。ほどよい仕事量をコントロールするのは、意外と難しいものです。

仕事が少ないと感じたら、いくつかの会社を掛け持ちで登録することも考えられます。ただし、忙しいときは重なりますので、どこかを断わらなければいけない場面もあります。断りにくくて苦労することもあるかもしれません。その辺の調整がうまくできれば、仕事量を増やす一つの方法にはなります。

そして、実力が備わったと思ったら、独立して自分の直接のお客様を獲得することを目指してもいいでしょう。

依頼する側の心理

依頼する側の立場からすると、実力がある人はもちろん大事ですが、それと同じぐらい、安心感のある人、安定した人を好みます。コミュニケーションが取りやすい人は仕事につながり、大事にされるのです。

メールで仕事の打診をしてもいつも返事が遅い人は、急いでいるときには候補から外れます。進捗の過程で必要があるときにはきちんと報告をするなど、日頃から依頼する側に安心感を持ってもらうことは、仕事を獲得していく上でとても大事です。

そして、依頼が来たときには、何となくやって納品しては駄目なのです。チャンスと捉えて、また頼んでみたいと思わせるぐらいのレベルに仕上げる。それが次につなげることになります。常に比較されたり評価されているのだという自覚を持つことが大事です。

人より一歩前に出るには

1.「語彙力」

では、選ばれるためにはどんなスキルが必要なのでしょうか。

よく言われるのは語彙力です。知らない言葉は聞こえない。または聞き間違ったり勘違いします。意味は知らなくても言葉自体を知っていれば、何となく当たりをつけて、その関連で検索して調べることができます。

「聞き慣れない言葉なので」とか「専門用語なので」という言い訳はできません。そもそも、話している人たちは専門家や第一線で活躍している人たちが多いので、自分が知らない言葉が飛び交うのは普通だと思っていなければいけません。

少し聞き取れないだけですぐ諦めて穴のある原稿にしていては、成長は見込めません。そこは粘り強さが必要です。

2.「整文のセンス」

この仕事をして気がついたことは、正しい日本語で、きちんと最初から最後までつじつまが合うように話せる人は意外と少ないことです。滑舌がよく、妙なくせ言葉もなく、理路整然と話せて、固有名詞や何かの引用文がうろ覚えでなく完璧に言える人など数少ないのです。

つまり、発言どおりに文字にしても、なかなかいい文章にはならないわけです。手を加えて読みやすくはしたいけれども、発言記録であるという制約の中で、常に迷いと葛藤が生まれます。

迷いが何もない人は考えて起こしていないということです。その辺を不自然でなく上手に文章に起こせる人は一流だと思います。整文のセンスです。

3.「聞き取りの力」

そして、一番大事だと思うのは聞き取りの力です。人の話は意外なほど聞き取れません。録音状態が良好であっても、専門用語でなくても、少しイントネーションが違ったり余計な音が挟まったりするだけで聞き取れないことがあります。

聞き取りの力も粘りとセンスが必要です。想像力がないと聞き取れません。何を言おうとしているかを一生懸命想像することでひらめきます。

ひらめいたら検証して正しいかどうかを確認します。当たるとパズルがはまるように、しっかり聞こえてきます。どうして聞こえなかったのか不思議なくらいに。アプリで雑音を低減しても、聞こえない人には聞こえないのです。

かなりベテランで慣れている人でも、ちょくちょく聞き間違いがあります。経験の浅い人の原稿などは、聞き間違いが無数にあると思ったほうがいいです。ですので、文字だけを追って校正をしても意味がないのです。音声と照らし合わせて確認することが大事です。

今後も需要はあるの?

情報公開の流れはどんどん進んでいます。国会審議や省庁の審議会、自治体の議会や委員会、審査会など、一部の非公開のものを除いて、要約ではない全文の会議録がインターネットで公開されています。

関心のある人がいつでも会議の内容を知ることができる時代です。様々な会議がこれからも文字の記録として公開され、保存されていくでしょう。それだけでも多くの需要があると思われます。

AIの普及で仕事がなくなるのでは?

これからの時代、文字起こしの仕事はAIに取られるのではないかと思う人もいるかもしれませんが、現段階では、自動音声認識のみでの会議録作成は無理があります。人の手がなくては完成しません。それもかなりの修正が必要です。

といっても、技術はある時一気に進んで、世の中がらっと変わったりしますから、将来はどうなるか分かりませんが、私たちはいつの時代も技術の進歩を味方にしてきました。AIに仕事を取られるのではなく、正しく使って共存しながら発展していくのだろうと思っています。

自分の耳と手で試してみて

最後に、文字起こし、テープ起こし、音声反訳など、いろいろな言い方をされますが、基本は音声の情報を文字にすることです。様々な分野の興味深い話に触れることができ、自分の国語力や知識も深まります。知識欲旺盛な人には魅力的な仕事です。

奥が深い仕事ではありますが、初めの一歩は踏み出しやすいものです。自分に合っているかどうか試してみるのも簡単です。動画や音声の情報はいくらでも自分の周りにありますから、録音・録画して文字起こしを経験してみてください。

そのとき、初めの一歩は音声自動認識など使わないで、一から自分の耳と手を使って起こしてください。それによって楽しさも大変さも体験できると思います。

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